感覚教育について
モンテッソーリ教育の感覚教育は視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚を洗練させるのが目的です。
いわゆる五感と呼ばれるものですね。
視覚
寸法(大きさ)
1 動作の統制及び立体の視覚的、触覚的認知力の発達
2 寸法の次元が異なるものの識別するための、視覚的、触覚的教育、鉛筆などを正しく持つための準備、手と腕の筋肉の協応
色
1 色彩の認知力と調和に対する感受性の発達
2 色彩名と実際の色との結びつきを教える。
形
1 異なった図形を区別することを教える。
2 子どもの手に書字学習に対する準備。
触覚
触覚
1 触覚の錬磨
2 表面のキメに対する一種の感受性の発達
3 字を書くことをまなぶために必要な軽いタッチの発達
温度感覚
1 触覚の発達
2 類似の温度と更に差異の大きい温度との識別、区別
重量感覚
1 重量感の発達
立体識別感覚
1 多種の物に対する親近感の発達
2 触覚の発達
味覚
味覚の発達
嗅覚
嗅覚の発達
聴覚
雑音
1 聴覚的感性の発達
楽音
1 同一性、漸次性探求
2 メロディー歌唱
大まかに書くと、このようなことが感覚教育の目的になります。
それぞれに教具があります。
又、名称を与えていく事も積極的に行っていきます。
モンテッソーリの感覚教育は五感を洗練させる為に行われると書きました。
小さいお子さんの場合、自分に必要な情報はまず初めに視覚によって取り込まれます。
どんなものを選ぶかは、お子さんによってまちまちですが、視覚が見たものを『これがほしい』と脳とが感じ、その指示によって子どもは動いていきます。
大体の場合は環境(家庭の中)にあるものに対して興味をもちそれを欲しくなります。
お茶碗であったり、お皿であったり、手でつかみ事が出来る物も多いと思います。勿論玩具があればそれにもいくでしょう。
つまり環境に常に有るものに興味を持ちそれを触りたくなっていくと言う事ですね。
年齢(発達段階)によって変わってきますが、小さければ小さいほど家庭の中にあるものを好みます。
自分で歩けるようになると世界が変わります。
外の物にも興味が出てくると思います。
散歩中に見つけ物、花、葉っぱ、虫、お店、車等、外にはたくさんお子様を刺激するものがあります。
その中でいくつか選んで子どもが聞いてくるときは本当に知りたい時ですので、語彙を与えるチャンスとなります。
手に取る、もしくは触る(触覚)ことができればなおさらその物に対しての理解が深まると思います。
匂いをかぐ(嗅覚)、食べる(味覚)こともできればより深くその物に対しての認識力を高めていけます。
音を出すもの(聴覚)であれば、それにも興味を持つでしょう。
つまり子どもは感覚を使って環境の物の情報を自分の中に取り入れようとしているのです。
子どもが何かの情報を入れていく時に大事なのをその情報を言葉として入れていく事でしょう。
例えば リンゴ
手に取り 『重いね』(重量感)
『皮がつるつるだね』(触感)
匂いを嗅いで 『いい匂い 』(嗅覚)
食べて 『甘いね』『酸っぱいね』(味覚)
等をお話することで、その情報を子どもは自分の中に入れていきます。
リンゴの持つそのものから感じられる印象も皆さんが小さい頃に同じように感じてきたことでしょう。
また或る時、違う種類のリンゴを使えば、
質感や匂い、味も違うことでリンゴによって違うことを知る機会になります。
大人が酸っぱいと言っても、子どもが『甘い』と言う時があります。
その子はその酸っぱさの中の甘みを感じているかもしれませんね。
子どもはとても敏感で大人よりも微妙に感じ取っている場合はとても多いです。
りんごを例にとりましたが、それだけではありませんよね?
環境にあるもの全て使えると思いますので、お子様の興味のあるものから行っていけばよいと思います。
今興味がなくても、のちに出てくることがありますので急がずにお子様のペースに合わせていけばよいと思います。
感覚を鋭敏にすると子どもにどのような効果があるのでしょう?
視覚
小さな違いに気が付くようになる。
色の違い、折り紙もメーカーや品番によって同じ赤でも
黒っぽいものや薄いもの等、わずかな違いを見分けることができる。(色彩感覚)
触覚
すべすべ、ざらざらなどわかりやすい違いから、漸次性のあるもの、例えば5段階に分かれている触覚的差異を順番に並べられるようになる。
部質の違いが目を閉じて触って解るようになる。
(ガラス、鉄等の温度差)
味覚
食べられるもの、食べられないものの区別
聴覚
音の強弱、高低などの理解
嗅覚
匂いで危険な物、場所を区別できる。
かなり大まかではありますがこのようなことでしょうか。
まだまだあると思います。
感覚教育は生きるため、生活を助けるための教育です。
全て生活を行っていく為に必要な事柄です。
感覚を鋭敏にすると言う事は、自分自身を助けることにつながります。
第六感と言うものがあるとしたら、この五感を強化したこと、又それに伴う経験によって培われた環境の空気感の察知能力に近いものではないでしょうか?
感がいいと言われる人は大概この能力に長けている人ですね。理由はそれだけではないと思いますが、この要素は高いと感じられます。
何事も幼い時ほど素直に受け止められるものです。
この時期を逃したくはないですね。